東日本大震災および原発事故から10年が経った2021年、当時は官房副長官だった立憲民主党の福山哲郎幹事長が菅直人元首相のヘリ視察に言及した。
「いつ放射能漏れが起こり、いつ爆発するかわからない状況で、総理が行くというのは本当にリスクが高かった」としながらも、「現場を見て判断する」ことを選択したことについて「私は結果的にこの判断でよかったと考えています」と主張している。
【東日本大震災】10年を超えて 福山哲郎議員インタビュー
――発災直後の総理の被災地視察について
総理はこの視察で官邸を4、5時間離れました。その間の最終判断は官房長官が行いました。つまり官房長官が災害対策の全般を指揮し、総理が現場に入ったわけです。今だから言えますが、いつ放射能漏れが起こり、いつ爆発するかわからない状況で、総理が行くというのは本当にリスクが高かったと思います。しかし総理は、「若い者ではなくて自分が行く」と言明しました。これだけの災害で「現場を見て判断するのか」「現場を見ずに判断するのか」の選択でした。いろいろ批判されましたが、私は結果的にこの判断でよかったと考えています。
なぜなら、当時、1Fの情報がまともに入らない中、現場と直接つながることは、官邸でのオペレーションを進めるためにも、さまざまな意思決定をする上でも非常に重要なことでした。視察から官邸に戻ってきた総理は、「現場とつながった。吉田所長は信用できる」と開口一番私に語りました。その上で、「原発は全体として良くない。海の水で循環させるしかないのではないか。根源的な問題だ。水が蒸発する可能性もある」と説明しました。津波被害を受けた宮城県の沿岸地域の様子については「ほとんど津波でやられている。食料、水、毛布、トイレが全く足りてない」と状況報告しました。
引用:https://cdp-japan.jp/news/20210428_1292
あのヘリ視察を肯定する誇り高き立憲民主党
映画Fukushima50を観た人の反応で、けっこう「菅直人首相の描き方がひどい」というものがあるのに驚き、いや戸惑っている。官邸の現場で取材し、見聞きした経験から断言できるが、映画は実物を10倍マイルド、ソフトに描いている。あんな程度じゃなかった。
— 阿比留瑠比 (@YzypC4F02Tq5lo0) March 16, 2021
10年経ったこともあり、立憲民主党は2011年の福島第一原発事故に関して言及することが多い。特に3月には映画『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)が地上波で放送されたため、より当時の民主党政権についての考察が散見された。
福山幹事長の「結果オーライ」としているが、あれほどの混乱状況でも現場の方々が懸命に作業を実行している中、本部を離れてヘリコプターに乗り、「72時間以内の人命救助が重要」であるにも関わらず視察に向かうことを今でも肯定する立憲民主党に偉大な知性と品格が垣間見える。
反町理「何も現場まで行かなくても…何でヘリで行くのか。電話で済ませられない話だったのか。それによるロスタイムがどれだけあったのか」
菅直人「それは論理が狂ってる。電話を誰にしていいかわからない。吉田さんの存在も行って初めて知った。現地に行って責任者から話を聞く事が必要だと」— ちぢれ麺 (@RamenReiwa) March 11, 2021
「吉田所長に直接電話」ではなく「責任者に繋いでくれ」で済む話なのだが、「吉田さんの存在」に固執していた菅直人元首相。いかに責任から逃れたいのかがよく伝わる主張だ。これほど偉大な知性を誇る人間が国のリーダーだったのだから、やはり民主党政権の凄さに感動して涙が止まらない。
今後も立憲民主党に注目していこう。

