選択的夫婦別姓の実現を推進している男性フェミニスト・勝部元気氏は9日、Twitterで選択的夫婦別姓における「子供の名字」について言及した。
子供の氏を父親と母親のどちらに合わせるのか、そのことで「子供の姓」を自分に合わせたがる夫やその親族が多数噴出すると予測。
そして「子供が母親の苗字になる率の低さ」を指摘し、新たな問題が生じることに気付いた模様。
勝部元気氏「子供が母親の苗字になる率の低さから生じる様々な弊害が新たな社会問題に」
選択的夫婦別姓制度が成立すると、今度は「別姓でも良いけど子供の苗字はうちので!」という夫やその親族が多数噴出して、子供が母親の苗字になる率の低さや、そこから生じる様々な弊害が新たな社会問題になりそうです。
— 勝部元気 Katsube Genki (@Katsube_Genki) March 9, 2021
選択的夫婦別姓の導入は絶対に不可欠だけど、それはごくごく初歩的な課題であって、家父長制やミソジニーが社会に蔓延する限り生じる、今よりは相対的に小さくともただし絶対的に小さくはない新たな社会問題もクリアしないといけないのだから、こんな初歩な所で立ち往生している場合ではないんですわ。
— 勝部元気 Katsube Genki (@Katsube_Genki) March 13, 2021
気付いてしまった(?)夫婦別姓の問題点
積極的消極的問わず選択的夫婦別姓に反対している側の意見として「親子別姓」「兄弟別姓」といった「家族別姓制度」であることが挙げられる。絆云々ではなく戸籍制度における管理やサービスなどに弊害が生じてしまうとの見方も多い。したがって反対派は「旧姓使用の拡大」を掲げている。
また選択的夫婦別姓によって家族内の姓がどのように統一されるのか、父親に合わせるのか母親に合わせるのか。結局は夫の氏に合わせようとする風潮が残り、母親の姓を名乗る子供が少ないという新たな問題を勝部氏は危惧している。
ここで疑問に思う人も多いだろう。選択的夫婦別姓賛成派は概ね「選択的夫婦別姓も夫婦で話し合って同姓か別姓か決められるもの、子供の姓も夫婦で話し合って決めればいい」と主張してきたはず。今さら問題視しているフェミニストたちは、これまで何も予測してこなかったのだろうか?
今の夫婦同姓制度でも、どちらの姓を選択するか夫婦で話し合って決めていませんか? 選択的夫婦別姓も夫婦で話し合って同姓か別姓か決められるものです。 子供の姓も夫婦で話し合って決めればいいことです。#選択的夫婦別姓 #夫婦別姓
— 選択的夫婦別姓制度の実現へ (@bessei_family) March 10, 2019
結局は「どちらの姓にするか」で話し合うも全ての家庭で解決するとは限らない。揉める家庭は揉める。選択的夫婦別姓で解消する事柄もあれば、勝部氏の仰るように様々な弊害が新たな社会問題になる可能性は考えられる。残念ながら勝部元気氏は気付いてしまったようだ。
社会学者・牟田和恵氏「今言うと妨害になるのでは?」
連ツイで「選択的夫婦別姓の導入は初歩的な課題」と述べており、おそらくは夫婦の姓だけでなくもっと根幹部分の改革もしくは破壊に着手していきたいのだろうか?選択的夫婦別姓は「始まり」に過ぎないと思われる。
社会学者でジェンダー研究家のフェミニスト牟田和恵氏も、「少なくとも現状、選択的別姓を求めている女性たちは、子の姓も、とは求めておらず、自身の同一性のために、と言っておられます」と意見を述べた。
子の苗字についても夫婦平等に決められるようになるべきですが、少なくとも現状、選択的別姓を求めている女性たちは、子の姓も、とは求めておらず、自身の同一性のために、と言っておられます。今、こんな事言い出すのは、妨害になるのではないですか? https://t.co/P62BDG6TGV
— 牟田和恵 (@peureka) March 9, 2021
勝部氏に対して「今言い出すと妨害になるのでは?」と指摘。様々な弊害を予測してシミュレーションを立てることが妨害行為に該当するとは面白い。どうやら「親子別姓」「兄弟別姓」の観点で夫婦別姓の議論が行われると、現段階では都合が悪いのかもしれない。
選択的夫婦別姓の導入は当然「子供の姓」もセットで考えておかなければならないが、「導入前」に言い出さなければ「いつ」言い出せばいいのか?まさか、選択的夫婦別姓制度の成立後、今度は「母親の姓を名乗れる子供が少ない」という新たな社会問題を生み出したいのだろうか?
やはりフェミニスト界隈の主張や狙いは改めて参考になる。とにかく、まずは選択的夫婦別姓を実現させることが重要なのだろう。「親子別姓」や「兄弟別姓」を持ち出すネトウヨはフェミニスト失格だ。「妨害」になるかもしれないから黙っておくこと。
