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岩田健太郎医師、GoToを「旧日本軍のインパール作戦なみ」と主張→感染症専門家が批判「やっちゃいけない表現」

感染症内科医の岩田健太郎医師は週刊朝日のインタビューで「撤退プランもなくGoToキャンペーンを始めたことが異常、無謀な作戦で多くの犠牲を出した旧日本軍のインパール作戦と同じ」と、GoToキャンペーンを痛烈に批判した。

先の大戦における作戦を例にGoToキャンペーン実施の不安を煽り立てたが、この表現には感染症専門家から「感染症内科医たる者、感染症法前文を踏まえる以上、やっちゃいけない表現ってもんがあるでしょ」と、岩田氏の比喩に否定的な意見も出ている。

岩田健太郎医師「GoToは異常。旧日本軍のインパール作戦なみ」

 菅首相は感染対策を最優先しながら経済を回していかなければならないと主張しています。どちらも当然大事ですが、アクセルを踏みながらブレーキを踏めと言っているのと同じで、受け手は混乱してしまいます。
 その結果、みんな自分の都合で考えることになり、「コロナは風邪」と考えるような人はGo Toを活用し、そうでない人は入念に対策をする。感染対策は、みんなが集団的に同じ行動をしないと効果が出にくい。Go Toも感染を恐れる人が多ければ効果は十分に出ません。中途半端な状態を、日本はこの1年近くずっと続けてきました。
 国はGo Toの一時停止についても自治体に判断を任せるなど無責任です。そもそも撤退プランもなくキャンペーンを始めたことが異常です。多くの旅行業者が対応に追われていると聞き呆れました。失敗を想定しないプランというのは、無謀な作戦で多くの犠牲を出した旧日本軍のインパール作戦と同じです
 感染対策を優先した中国やニュージーランド、各フェーズで明確にメッセージを出してきた欧州各国に比べ、日本はリーダーシップが取れていない。曖昧な対策で「感染対策は経済の邪魔」という考えを国民に植え付けてしまいました。「経済優先か感染対策か」というのはナンセンスな議論で、対立関係として考えること自体が間違い。「急がば回れ」で、感染対策こそが最強の経済対策なんです。最大限の感染対策をしながら、その間に自殺者などの犠牲を出さないため、最低限の生活補償をすればいい。
引用:https://dot.asahi.com/wa/2020120300010.html

感染症専門家が批判「やっちゃいけない表現」

今や日本が世界に誇る超一流”扇動型”感染症内科医として、主に左派界隈から支持を得ている岩田健太郎医師。ダイヤモンド・プリンセス号の件で時の人となった有名医師だ。

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週刊朝日のインタビューでGoToキャンペーンをインパール作戦と同列に扱って批判するなど、国民の不安を煽ろうとする表現に関しては左翼活動家の素質があると言っても過言ではない。
(インパール作戦の歴史観に関して本稿では触れないのでご了承を)

ところが同じく感染症の専門家であり、これまでも岩田氏のリスクコミュニケーション能力を指摘してきたEARL氏(@EARL_Med_Tw)は、上記の比喩表現を批判している。

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
 人類は、これまで、疾病、とりわけ感染症により、多大の苦難を経験してきた。ペスト、痘そう、コレラ等の感染症の流行は、時には文明を存亡の危機に追いやり、感染症を根絶することは、正に人類の悲願と言えるものである。
 医学医療の進歩や衛生水準の著しい向上により、多くの感染症が克服されてきたが、新たな感染症の出現や既知の感染症の再興により、また、国際交流の進展等に伴い、感染症は、新たな形で、今なお人類に脅威を与えている。
 一方、我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。
 このような感染症をめぐる状況の変化や感染症の患者等が置かれてきた状況を踏まえ、感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適確に対応することが求められている。
 ここに、このような視点に立って、これまでの感染症の予防に関する施策を抜本的に見直し、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する総合的な施策の推進を図るため、この法律を制定する。
引用:https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=79998826&dataType=0&pageNo=1

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岩田健太郎氏の超一流なリスクコミュニケーション

多くの兵士が犠牲となった「インパール作戦」だが、グラフ推移を見る限りGoToトラベルによってコロナの感染者が増加したという因果関係は成り立っていない。岩田氏的には、おそらく「失敗を想定しない」という点で「無謀」の代名詞として比喩表現に使ったのだろう。

GoToが失敗かどうかはさておき、戦争を例に過剰な不安を煽る(可能性のある)表現で政府の方針などを批判することは、専門家の言動としてどのように解釈すべきなのだろうか。

例えば扇動によって「いわれのない差別や偏見」を生んだり、「迅速かつ適確に対応すること」に支障をきたしてはいけない。変に騒ぎ立てたり、過剰な表現に十分注意することも感染症対策で重要な心構えだと言える。

インパール作戦に例えることで、もし万が一「GoToキャンペーンは多くの犠牲者を生む」と解釈されてしまえば、風評被害の拡大に繋がりかねない。結果的に損失を被るのは、現在なんとか持ち直そうとしている旅行会社や宿泊施設といった観光業界、そして外食産業だ。

日本の左翼や自称リベラルは政権批判をする際、「独裁政治」「ヒトラー」などに例えることが非常に多い。特に専門家が過剰な表現をすれば、間違いなく国民への訴求効果は高いはず。感染症内科医による不安を煽った言動は、日本の混乱を招きたい左翼にとっても痛快だろう。

「インパール作戦」を持ち出した岩田健太郎氏は、きっと一流の左翼活動家になれるかもしれない。岩田健太郎医師のリスクコミュニケーション能力に、今後も国民は注目していくべきだ。

超一流感染症内科医である岩田健太郎医師の、高い知性と優れた品格に敬意を表したい。

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