エッセイストでタレントの小島慶子氏は朝日新聞出版「AERA」の連載コーナーで、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗元会長の発言を取り上げた。
記事のタイトルでは「『森さん』的なもの」と表現されており、本文にも「遍在する「森さん」」などと、人名が差別の象徴であるかのような言葉遊びを披露している。
沖縄タイムスの「あなたのまわりの森発言」や、BuzzFeed Japanの「自分は森さんじゃない」と同等レベルで、人の氏名が性差別・女性蔑視・男尊女卑の代名詞になるかもしれない事例だ。
小島慶子「『森さん』的なものに引導を渡すのはこれから」
(前略)
世界経済フォーラムのグローバル・ジェンダー・ギャップ指数ランキングで日本は121位、先進国で連続最下位です。下位の国が状況を改善して年々順位を上げていく中、日本は鉛の重りが入っているかのようにむしろ順位を下げています。意思決定層が「森さん」的であり続ける限り、日本は先進国最下位であり続けるでしょう。
日本の政治・経済分野での男女格差が大きいのは、まさに森氏にとって居心地のいい、男性中心の権威主義的な組織が女性の参加を阻んできたから。聞き分けの良い「わきまえた女性」しか仲間に入れないぞと脅し、口を塞(ふさ)ぐやり方が続いてきたから。医大入試の点数操作も然り。非人間的な激務に耐える男性医師の世界に、子供を産む女性医師は要らないという発想です。日本の組織の意思決定層が「文句を言わずに働く兵隊しか要らない」という本音を改めない限り、「男は兵隊、女は子守か男のお守り」という性別役割分業は変わりません。賃金労働も無償のケア労働も、働く人の幸せではなく組織の利益のため。そんな個人が軽視される構造がハラスメントや女性差別の温床になっています。遍在する「森さん」に引導を渡すのはこれからです。
引用:https://dot.asahi.com/aera/2021021700029.html
森氏の発言は、日本社会の閉塞感の元凶そのもの。同調圧力で個人の口を塞ぎ、議論を形骸化し、それに従わない異分子は排除する。人を属性で括り、少数者を侮り、差別発言に無自覚で、何が問題かも理解しない。そしてそういう権力者に周りも同調する。もうこれをやめよう。こんなの誰も幸せにならない。
— 小島慶子 (@account_kkojima) February 5, 2021
遍在する「森さん」→人の名前を性差別や女性蔑視の象徴に?
元TBSアナウンサーでタレントとしても知名度のあるエッセイスト小島慶子氏。AERAの連載で披露した「『森さん』的なもの」・「遍在する「森さん」」といった表現は、さすがの知性と品格としか思えない。
ここ数日は人の価値観や発言の是非について、特に女性蔑視や女性差別と受け取られる言動や考えを「森さん」とレッテル貼りのように扱う自称リベラル界隈の品性に驚愕している。個人名を差別の代名詞とする手法、やはり自称リベラルの知性は次元が違う。
沖縄タイムスやバズフィードのような左翼に大人気のマスコミやメディアをはじめ、自称リベラルや自称フェミニストたちの根底にある憎悪は予想以上に激しい。人名を差別の象徴に扱う自称反差別主義者の言動に、世間はもっと関心を寄せるべきだ。
小島慶子氏のような影響力のある超一流カリスマエッセイストが、人の名前を差別の象徴であるかのように定着させる効果は大きい。森喜朗氏への憎悪を掻き立て、より対立を煽る崇高な手法である。
小島氏だけでなく、差別を助長する表現や対立を煽る主張を難なく使いこなす自称リベラルの知性と品格に涙が止まらない。沖縄タイムスは批判が殺到して「森発言」を削除したが、まだまだ自称反差別主義者の勢いは止まらないだろう。

