韓国の文在寅大統領は8日の記念式典で、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定、通称CPTPPへの参加検討を強調した。
TPP11への加盟についてムン大統領が直接言及したのは今回が初めてであり、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の署名に続いて貿易拡大の意欲を示している。
文大統領 CPTPPへの加盟検討を表明
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は8日、「貿易の日」の記念式典で演説し、「(新型)コロナ以降、回復する市場を先取りするため全ての国が激しく競争し、保護貿易の風が吹き荒れると思う」との認識を示した上で、「市場の多角化を必ず実現しなければならない」と述べ、「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)」の加盟を検討していく考えを明らかにした。文大統領がCPTPPへの加盟に言及するのは初めて。
米国はオバマ政権時代、中国を排除し、日本やオーストラリア、カナダなど重要同盟国と友好国を中心にTPPをまとめた。だが、トランプ政権が保護主義的な姿勢を強め、TPPから離脱し、日本などが新たな枠組みとして発足させたのがCPTPPだ。
韓国は先月、中国が積極的に参加している東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に署名した。今回は米国が復帰を検討しているCPTPPに加盟する可能性を示唆し、注目を集めそうだ。専門家らは韓国が米中対立の板挟みになるリスクを最小化するためには、RCEPとCPTPPの両方に加盟する必要があるとの意見を示している。
引用:https://jp.yna.co.kr/view/AJP20201208001400882?section=politics/index

米中対立のリスク最小化が狙い?

多国間貿易協定としてイギリスも加盟意欲を覗かせているCPTPP、日本ではTPP11の呼び名が一般的かもしれない。
中国の存在感が強いRCEPに署名したものの、今後も米中対立は融和の糸口が見えない状況。韓国としてはアメリカがTPPに復帰する可能性も見越してか、貿易リスクの軽減策としても加盟は有効と判断したのだろう。
現政権の大統領が明言したことからも、韓国の参加意欲はこれまで以上に高いことは間違いない。トランプ大統領との「2分会談」という天才ぶりを発揮した文在寅大統領の外交術は、偉大なる最先端国家の韓国をさらに成長させてくれるだろう。
あとは中国と違って韓国はTPP11のルールをクリアすることができるのか注目だ。仮にクリアできなくても、他のアジア諸国とのFTA交渉も進んでいる。無理してTPPに固執する必要はない。
“天才”文在寅大統領の外交術が発揮される時だ。
