拉致問題をテーマに横田めぐみさんとご家族の視点で描いた映画「めぐみへの誓い」が、2月19日(金)から公開される。
公開に先駆けて「拉致被害者全員奪還ツイキャス」に原作・脚本・監督を務められている野伏翔監督が出演され、作品へかける思いや解決に向けた提言などを語ってくれた。
また、森喜朗氏の発言による会長職辞任にも触れ、「女性の人権ならウイグルのほうがよっぽど酷い状況」「日本人として一番近いところは拉致被害者なんだけど」と、世間の風潮を憂慮している。
#拉致被害者全員奪還 ツイキャス
映画『めぐみへの誓い』原作・脚本・監督を
つとめられた
野伏翔さんゲスト回監督の思いを
赤裸々に
語っていただきます。https://t.co/KKIKe7DNWX
配信は
今夜21時55分~https://t.co/zpAFDyWN6p pic.twitter.com/JF7Pk5vJUi— しぇりー (@shellymamy1) February 14, 2021
しぇりー氏 ラジオ「拉致被害者全員奪還キャス」より(2021/2/14放送)※抜粋
※()括弧の部分は分かりやすくするために当サイトで追記した部分
〜拉致問題の周知について〜(14分18秒辺り)
しぇりー氏
「とにかく、監督と(横田)滋さんがお話をされてたり、監督が全国の舞台を30ヶ所くらい行かれてひしひしと感じたことは、拉致の真実とはどういうものだったのか、若い方は知らないということを身をもって感じられたと思うんですね。舞台をご覧になられた方から感想やアンケートを書いていただきましたけど、若い方は知らないんですよね」野伏翔監督
「知らないんですよ、ごく少数の我々の身近な人たちだけでね。(拉致が)あったということは知っていますけどね、それは色んなニュースの一つにすぎなくて。現在も進行形で苦しんでいる人がいることを伝えないと。『昔に拉致がありました』を覆して、僕らの仕事としては『現在も囚われている』ことを伝えていかなければいけない。『テレビが報道しない』と書いてありますけど、本当にテレビ(の報道)が少ないですよね。テレビは全体的にどうしちゃったのかなと思います」
〜テレビの報道姿勢について〜(16分33秒辺り)
しぇりー氏
「森さんの発言とか桜を見る会をあれだけやるなら、1ヶ月に1回くらいは拉致問題のスペシャルを組むとかですね」野伏翔監督
「でも記者の方とかテレビのディレクターの方でも、そういう志を持った人は多いですよ。でもなかなか(企画が)通らないんでしょうね、編成会議とかで」しぇりー氏
「なるほど、色んなものが……」野伏翔監督
「上のほうから」しぇりー氏
「なるほど、そっかぁ……」
〜世間の風潮について〜(1時間4分0秒辺り)
野伏翔監督
「森さんに怒ってるんだったら、女性の人権はよっぽど(中国共産党による人権弾圧で苦しむ)ウイグルのほうが酷いんだけど」しぇりー氏
「そういうのにね、あれだけの勢いがあるのなら『日本もやるじゃないか』『人権を大切にしている国だな』って私も思うんですけど。なんかズレてますよね」野伏翔監督
「全然人権がダメですよね、逆に言うと。本当の人権問題って拉致問題と、本当に命がかかった恐怖に晒されているのは拉致被害者と、今のチベットやウイグルの人たちですよね。ロヒンギャとかは距離的にも遠いんだけども、日本人として一番近いところは拉致被害者なんですけど、多少でも目が向いてないのかなこの人たち本当は、と思いますね」
※約1時間半の配信は映画のネタバレも含まれるため一部を抜粋
出典:野伏翔監督ご出演の回
拉致被害者全員奪還ツイキャスより
野伏翔監督「拉致問題は現在進行形」「森さんに怒るならウイグルや拉致被害者にも…」
拉致問題が「現在進行形の人権侵害」であることを強く訴えた野伏翔監督。マスコミはいわゆる森会長失言を相当な時間を割いて取り上げているが、拉致問題を報じない姿勢にどこか焦燥感を覗かせた。
確かにニュースは鮮度が求められ、解決に向けて一見膠着しているように映る拉致問題を取り上げることは難しい部分もあるだろう。毎週日曜日にTwitterで行われる「#拉致被害者全員奪還」ツイデモも、保守垢やネトウヨばかりの参加が目立つそうだ。
しぇりー氏も配信動画内で、過去に野伏翔監督がFM川崎のラジオ番組へ出演した際に横田めぐみさんの母親・横田早紀江さんと電話でやり取りした話を語ったことについて触れている。
横田早紀江さん曰く「色んな政治家さんたちが選挙運動で政策を打ち出すけど、全然拉致問題の話が出てこない」と。政治家の軽薄な意識、そして「拉致問題解決」や「拉致被害者奪還」が票に繋がりにくい現状の表れかもしれない。
周知活動に励む方々だけでなく、国民全体が「北朝鮮による人権侵害」「拉致被害者を救う」という風潮になることを願う。そして拉致問題解決に携わる政治家を応援すること、こういった関心の寄せ方も大切だ。
しかしネットでは国会議員の中に、救う会や拉致被害家族の分断を図る「工作員」と疑われる人物の存在も浮上する。事実かどうかは不明だが、誰がどれほど真摯に取り組んでいるのか見極めも必要だろう。
北朝鮮による人権侵害行為の拉致事件。この問題に森会長への批判と同じくらいのエネルギーが向かうことを願う。野伏翔監督やしぇりー氏の指摘が世間に届くといいのだが。
《参考》映画『めぐみへの誓い』予告編

