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望月衣塑子氏「一体何に使ったのか」安倍政権、官房機密費86億円のうち政策推進費が78億円

東京新聞の望月衣塑子記者は5日、自身のTwitterでしんぶん赤旗の記事を引用しながら「内閣官房機密費」について言及した。

7年8ヶ月に渡る安倍政権で内閣官房機密費は86億円であり、そのうち政策推進費は78億円だった。

官邸や官房長官の裁量で管理される政策推進費について、望月記者は「一体何にどれだけ使ったのか」と疑問を呈し、菅義偉官房長官が持つ権力は「内閣官房機密費にある」とした。

官房機密費78億円 安倍政権の返納はたった37万円

望月衣塑子記者が引用した日本共産党が発行する機関紙「しんぶん赤旗」に、安倍政権で支出された内閣官房機密費(報償費)の解説がされている。ちなみに記事は”2020年6月6日”のものだ。

第二次安倍内閣に支出された官房機密費は合計で86億円となっており、そのうち政策推進費は78億円とのこと。政策推進費は官房長官が管理する予算と紹介している。

官房機密費は会計検査院に対して領収書や支払先明らかにする必要もないが、その政策推進費が官房機密費の91%を占めていることから、何に使われているのか明らかにされないのだ。

年間10億円以上も自由に使えるお金、記事にもある通りこれほど”ヤミ金”の性質を持ったお金はないだろう。

さすがは望月記者だ。政策で立ち向かうことができないなら、官房機密費についてどんどん追求していくことができる。菅政権が誕生した後でも戦う武器を持てたことは大きい。

また、今さら6月の記事を引用しているのも、彼女の賢さが伺える。自社ではなく共産党の機関紙を引用するのも素晴らしい。ジャーナリストとして全ての才能を持ち合わせている。

望月衣塑子記者の鋭い視点 一度睨んだら逃さない

内閣官房機密費といえば、2012年11月9日に日本経済新聞が報じた「民主党政権で35億円」という記事が有名だ。

政府は9日の閣議で、2009年9月の民主党政権発足から今年11月5日までの間に、35億2000万円の内閣官房機密費(報償費)が国庫から支出されたとする答弁書を決めた。このうち未使用だった3885万円は返納した。使途は明らかにしていない。

野田内閣が発足した昨年9月2日以降の支出は13億3000万円で、未使用額として2172万円を国庫に返納した。共産党の塩川鉄也衆院議員の質問主意書に答えた。

引用:https://r.nikkei.com/article/DGXNASFS0900D_Z01C12A1EB1000?s=5

2009年9月に発足した民主党政権は、2012年11月5日までの間に35億円もの内閣官房機密費を支出していた。

また、民主党が下野した12月を含めると37億2000万円にも膨れ上がった。そのうち野田内閣は15億3000万円も支出されている。ちなみに当時も使用した機密費の内訳は明かされていない。

安倍内閣の内閣官房報償費(官房機密費)の透明化方策に関する質問主意書
提出者 塩川鉄也

二 野田前内閣は、内閣官房長官が取扱責任者である内閣官房報償費(官房機密費)をいくら使用したのか明らかにされたい。
三 民主党政権は、内閣官房長官が取扱責任者である内閣官房報償費(官房機密費)をいくら使用したのか明らかにされたい。

引用:http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a182006.htm

衆議院議員塩川鉄也君提出安倍内閣の内閣官房報償費(官房機密費)の透明化方策に関する質問に対する答弁書

二について
野田内閣が発足した平成二十三年九月二日から平成二十四年十二月二十六日までの間に内閣官房長官へ支出された内閣官房報償費は、十五億三千万円である。なお、その間に未使用額として二千百七十二万四千六百五十四円が国庫に返納されている。

三について
平成二十一年九月の政権交代以降、平成二十四年十二月二十六日までの間に内閣官房長官へ支出された内閣官房報償費は、三十七億二千万円である。なお、その間に未使用額として三千八百八十五万六千八百十八円が国庫に返納されている。

引用:http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b182006.htm

第二次安倍政権で支出された内閣官房報償費86億円を、政権発足からの7年8ヶ月で計算すると、約11億円だ。そして民主党政権でも同じように、37億円を3年3ヶ月で計算すると、民主党政権も約11億円だ。

民主党政権では東日本大震災、安倍政権では新型コロナといった災害がそれぞれにあるが、支出額はほぼ同額の約11億円となっている。

つまり、年間の官房機密費は民主党政権でもほぼ同額であることから、安倍政権だけ突出して多く感じるのは間違いなのだ。したがって望月衣塑子氏のツイートはミスリードになりかねない。

しかし、あの望月衣塑子氏がここで終わるはずがない。わざわざ6月の記事を引っ張ってきてまで菅義偉官房長官の印象を悪くしているのだ。当然、2012年まで遡って民主党政権を批判してくれるだろう。

民主党政権で官房長官を経験している枝野幸男氏は、合流新党の代表選に立候補している。敗北するならまだしも、もし代表に当選するようであれば、望月氏は必ず枝野代表に「内閣官房機密費について」と質問してくれるはずだ。

万が一、望月氏が民主党政権の内閣官房機密費に触れないようであれば、それも含めて”ジャーナリスト”望月衣塑子氏の魅力だろう。これはダブスタなのではなく、いわゆる望月流なのだ。

自民党の総裁選前だが、左翼界隈ではすでに「スガ政治を許さない」という声が見受けられる。もちろん望月記者も心の中で叫んでくれるはずだ。

安倍政権の内閣官房機密費が民主党政権とほぼ同額だとしても、望月衣塑子氏や左翼の関心はアベであり、その路線を継承するスガなのだ。

超一流の新聞記者である望月衣塑子氏は、スガを逃さない。

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