オバマ氏はBBCのインタビューで、アメリカの分断社会について語った。
アメリカでは現在、トランプ氏が大統領選で勝利した4年前に比べてさらに分断されていると指摘している。
その原因の一部はトランプにもあると言い、分断の主な原因は「アメリカで増幅する複数の陰謀論」とも述べた。
では、なぜアメリカでは分断が生まれたのだろうか?
オバマ氏、1回の選挙でアメリカの「真実の腐敗」は止まらない
オバマ前大統領は、自身の最新の回顧録のプロモーションのためのBBC Artsのインタビューで、歴史学者のデイヴィッド・オルソガ氏と対談。アメリカの地方と都市部の間に生じている怒りや憤り、移民問題や不平等などの不当行為、そして「一部で真実の腐敗と呼ばれている、複数の陰謀論」がアメリカの一部メディアによって増幅され、「ソーシャルメディアに加速されている」と語った。
「私たちは今、非常に分断されている。私が大統領選に初出馬した2007年よりも、選挙に勝利した2008年よりも確実に」
オバマ氏は、トランプ氏が「自分の政治に良かれと思って分断をあおる」ことをいとわなかったことが、この分断の一因になっていると示唆した。
また、この問題に大きく影響している別の要因について、「事実は重要ではない」との考えが存在するオンライン上での偽情報の拡散を挙げた。
引用:https://www.bbc.com/japanese/54955508
《参考》オバマ前大統領、アメリカの分断や陰謀論を懸念 BBCインタビュー
なぜ4年前に「トランプ大統領」が誕生したのか
オバマ氏のインタビューで一つ気になったのが、「右翼メディアばかりを見ている人には、私という人間がわからないでしょう」と苦笑しながら話した。
米メディアの右翼・左翼を親トランプ・反トランプで表現するならば、FOXニュースとそれ以外といったところだろう。では、多くのメディアが反トランプであるにもかかわらず、なぜ2017年1月にトランプ大統領が誕生したのか。
左翼メディアばかり見ている人は、トランプという人間がわからないということだろうか。
今回の選挙でも、バイデン候補は大手主要メディアから後押しされ、多くのセレブや有名人が支持を表明している。そしてそれまで歴代最高の得票数を誇っていたオバマ氏も応援に駆けつけるなど、表面上のアメリカ世論は「圧倒的バイデン」だった。
ここまでしてオールドメディアがやっと「バイデン候補が勝利」と報じることができたのだから、確かにアメリカの分断は相当深刻化しているかもしれない。ここまでしないとトランプ氏に勝てないのだから。
2016年でもオバマ政策継承を掲げていたヒラリー・クリントン氏だったが、制したのはトランプ大統領だ。その頃の分断が大きな問題でないならば、なぜアメリカ国民の多くがトランプ大統領に票を投じたのか。
オバマ氏は「私が大統領選に初出馬したときより、選挙に勝利したときよりも確実に分断されている」と述べた。では、その後のオバマ政権8年間に何があったのか。
文句なしのオバマ政権だったのであれば、なぜ「圧倒的ヒラリー」の世論だった2016年にトランプ氏が勝ったのか?もしこの現象も「陰謀論」で結論づけるならば、オバマ氏はよほど高い知性を備えているに違いない。
トランプ政権で分断が深くなったのであれば、そもそも分断を生んだ政権とはいったい・・・。