立憲民主党の白眞勲議員は5日の参院予算委員会で、東京オリンピックに各国の要人が来日する件について「次の五輪開催地である中国の習近平主席を招待しますよね?」と何度も繰り返し質問した。
習近平国家主席を招待するかどうかを執拗に確認する白議員、その鋭い質問と熱い姿勢に菅首相を始め大臣たちも困惑したに違いない。
立憲民主党・白眞勲議員「東京五輪で中国の習近平主席を招待すべき」
立民 白眞勲
『五輪に次の開催地中国の習近平主席を招待するか』
『安倍総理もリオに行った。普通は招待する』
『もう一回聞きます。五輪に習近平さんを招待するつもりは』
『米大統領とやるなら習近平とも会談すべき』
『招待するのが当たり前』
『なぜ頑ななのかサッパリわからない』これが立民🤮 pic.twitter.com/TwQODI0aNO
— ピーチ太郎2nd (@PeachTjapan2) November 5, 2020
白眞勲議員の見事な論法に政府も困惑か
白眞勲議員は「アメリカの大統領選挙もいずれかはどちらかになるかと思いますが、オリンピックにも招待しなければならないということで、大統領が来られたら首脳会談やりますか?」と質問した。
それに対し菅首相は「その通りであります」と回答する。その後に白眞勲議員は「習近平主席は招待しますか?次の開催地は北京ですが」と質問する。
この質問には橋本担当大臣が「あくまで主宰の東京都、IOC、組織委員会、オリパラ委員会が決めること」と回答した。
これに納得のいかない白議員は何度も同じ質問を繰り返す。しまいには「アメリカは招待するのに、なぜ中国は頑ななのか?」と発言に熱も入ってきた。
菅総理、茂木外務大臣、橋本担当大臣は一貫して「IOCや組織委員会が相談することであり、国として政府が招待する権限はない」と主張している。しかし、白議員は「国家として」というポジションに固執していた。
そもそも白議員がアメリカ大統領に触れた際は「会談をするか」であり、「招待をするか」ではない。しかし、中国の話になるとなぜか「習近平氏の招待」になってしまう。
政府としては「五輪で来るなら首脳会談する」という姿勢であり、オリンピックにおける国家元首の「招待」については政府の権限ではないと主張。
つまり、アメリカだろうが中国だろうが、五輪において誰を招待するかは東京都やIOCなどが決めることであり、政府の権限ではない。「もし五輪で来日するならば会談することもある」といった答弁だと受け取れる。
アメリカ大統領では「会談するか」で質問をしたのだが、習近平主席の質問では「招待するか」に論点を切り替える白議員。見事な論法で与党を困惑させ、確実なダメージを与えたはずだ。
金正恩氏の招待や会談についても質問する白眞勲議員
白眞勲「東京五輪に習近平を招待しますよね」
菅総理「IOC等が招待を決める」
茂木大臣「国賓来日の日程調整する段階でない」
白「国賓は聞いてない!呼べばいい!また金正恩を五輪に呼ぶ気は?来たら会談は?」
菅総理「仮定の話だがもし来たら良い機会」まるで中国や北朝鮮の外交官の立憲#kokkai pic.twitter.com/1oak4wdTDo
— Dappi (@dappi2019) November 5, 2020
最終的に菅首相の「(五輪の招待では)政府が招待する権限を持っていない」という答弁を理解したのか、白議員は「習近平さんが来られたら会談する?」と質問。菅首相も「その通り」と回答した。
その後は台湾や拉致問題などの質問が続き、白眞勲議員は「金正恩氏は招待するか」「来たら会談するか」と質問している。金委員長との会談について、何か情報を得たいのだろうか?
東アジアの各国に関する質問で鋭く切り込む白議員は、「最強の野党」を目指す立憲民主党にとっても貴重な戦力である。政府の一貫した答弁にも負けず、今後も独自の論法で追求していただきたい。