トランプ大統領は19日、中国系動画投稿アプリ「TikTok」(ティックトック)の提携案に承認する意向を示した。
米ソフトウエア大手のオラクル社とスーパーマーケットチェーンのウォルマート社が、TikTokの国際事業を分離して設立する新会社に最大20%を出資するとのこと。
トランプ氏は「オラクルとウォルマートが完全に支配する。多くの雇用やお金を米国にもたらし、利用者も喜ぶ」と述べた。
トランプ大統領、オラクルとウォルマートのTikTok提携案を「原則承認」
【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は19日、中国発の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」と米IT(情報技術)大手オラクルなどが提携する案について「原則承認」したと明らかにした。商務省は20日に予定していたアプリの配信禁止を27日に延期すると発表した。
(中略)
トランプ氏はホワイトハウスで記者団に「コンセプトとしては米国にとって素晴らしい合意だ。完了するなら素晴らしいし、しなければそれでもよい」と先行きを注視する方針を表した。中国政府への個人情報流出を懸念してきたが、提携が実現すれば「中国とは関係がなくなる。安全性は完璧になる」と主張した。
引用:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64096370Q0A920C2000000/
提携案の中身としては、国際事業を分離して設立する新会社「Tik Tok Global」が新規株式公開を目指すこと、オラクルとウォルマートが最大20%出資することなどが含まれている。出資比率はオラクルが12.5%でウォルマートは7.5%、残りの80%は親会社のバイトダンスが保有する。
バイトダンスにはアメリカの投資家が約40%を出資しており、新会社の株式の過半をアメリカ企業が持つことになる。これは以前から政府が求めていた条件であり、株式公開によって今後はアメリカの投資家による出資比率が高まる可能性が高い。
また、新会社は南部テキサス州に置かれる。雇用の生み出しに積極的だったトランプ氏は「2万5千人を雇用する計画がある」と、雇用対策も訴えることに成功した。
このまま提携交渉が合意されて政府が最終承認すれば、アメリカにとって安全性を確保された事業が展開される。アメリカ企業が主導し、米国民の雇用も生み出す。
バイトダンスは「(中核技術となる)アルゴリズムだけは渡さない」と、売却対象外であることを強調していた。また少数の株を保有することで完全売却は何とか免れたが、したたかな交渉を続ける米企業と圧力を強めるトランプ政権。バイトダンスの苦悩は絶えない。