朝日新聞が運営するサイト「論座」に寄稿された記事が話題となっている。
京都精華大学人文学部専任講師・白井聡氏の記事だが、「安倍政権の7年余りとは、日本史上の汚点である」という痛快な見出しで安倍政権を批評している。
記事の内容には左派界隈を中心に賛同の声も多く、さすが朝日新聞に載る記事はモノが違う。
「安倍政権の7年余りとは日本史上の汚点」白井聡氏の批評
これから何回かにわたって、安倍政権の総括を書きます。まずは第一弾。何日間か無料で読めるそうですから、お早めにどうぞ。
【1】安倍政権の7年余りとは、日本史上の汚点である – 白井聡|論座 – 朝日新聞社の言論サイト https://t.co/r3JWSIX6yb
— 白井 聡/Shirai Satoshi(新刊『武器としての「資本論」出しました!) (@shirai_satoshi) August 30, 2020
この政権が継続することができたのは、選挙で勝ち続けたためである。直近の世論調査が示す支持率は30%を越えており、この数字は極端に低いものではない。これを大幅に下回る支持率をマークした政権は片手では数え切れないほどあった。要するに、多くの日本人が安倍政権を支持してきたのである。
この事実は、私にとって耐え難い苦痛であった。なぜなら、この支持者たちは私と同じ日本人、同胞なのだ。こうした感覚は、ほかの政権の執政時にはついぞ感じたことのなかったものだ。時々の政権に対して不満を感じ、「私は不支持だ」と感じていた時も、その支持者たちに対して嫌悪感を持つことはなかった。この7年間に味わった感覚は全く異なっている。
数知れない隣人たちが安倍政権を支持しているという事実、私からすれば、単に政治的に支持できないのではなく、己の知性と倫理の基準からして絶対に許容できないものを多くの隣人が支持しているという事実は、低温火傷のようにジリジリと高まる不快感を与え続けた。隣人(少なくともその30%)に対して敬意を持って暮らすことができないということがいかに不幸であるか、このことをこの7年余りで私は嫌というほど思い知らされた。
(中略)
森友学園事件、加計学園事件、桜を見る会の問題などはその典型であるが、安倍政権は己の腐りきった本質をさらけ出した。不正をはたらき、それを隠すために嘘をつき、その嘘を誤魔化すためにさらなる嘘をつくという悪循環。それはついに、一人の真面目な公務員(財務省近畿財務局の赤木俊夫氏)を死に追い込んだ。高い倫理観を持つ者が罰せられ、阿諛追従して嘘に加担する者が立身出世を果たす。もはやこの国は法治国家ではない。
(中略)
私たちの再出発は、公正と正義の理念の復活なくしてあり得ず、その復活のためには、総理自身の違法・脱法行為の究明が絶対的に必須である。
(中略)
後継者が誰になろうが(仮に政権交代が起こったとしても)、安倍時代の不正の追及が正面から行なわれない限り、本質は何も変わらない。第二・第三の安倍がまたぞろ現れて、日本社会の腐敗を一層促進するだけのことになる。
引用:https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020082800004.html?page=1
白井聡氏いわく、安倍政権を支持してきた国民に対し、相当な嫌悪感を示しているようだ。
安倍政権を憎むだけでは飽き足らず、安倍政権の支持者へ敬意は持てないと語っている。しかも「少なくとも30%」ということは、本音は「積極的支持者だけでなく消極的支持者に対しても」不快感があるのかもしれない。
さすが朝日新聞社が掲載するだけある。この角度の付け方は強い怨念を感じさせ、多くの反安倍界隈から称賛されるはずだ。
また、安倍政権におけるスキャンダルに対して追求の手を緩めていない。白井聡氏が挙げている山口敬之事件、森友学園事件、加計学園事件、桜を観る会、河井夫妻の事件の計5件は、絶対に見過ごせない案件だ。
保守界隈も安倍政権に対して辛辣な意見は多く、北朝鮮拉致被害者や北方四島の奪還など、解決されていない問題が山積みだ。それに消費税増税、移民政策、アイヌ新法など、保守層から受け入れ難い愚策も汚点と言える。
しかし、左派にとって大きな問題点はそこではない。安倍政権最大の汚点はスキャンダルだ。政策よりもスキャンダル、安倍は逮捕されてもおかしくないという論調で責めているのだ。
そんな政権を支持し、歴代最長の在職記録を誇る安倍総理を応援してきた支持者は、積極的消極的問わず嫌悪感を抱かれても仕方ないだろう。白井聡氏の苛烈な表現は間違っていない。左派や反安倍の論調がとても正確に表れている。
Twitterの反応
うん、うん、と読んでて涙が出た。これぜ〜んぶ、白井さんがいってくれなければ、もういってはいけないことにされそうで。おなじく思ってても、こんなに早くここまでいうのは勇気ある。あたしもあたしにできることをしようっと。なんかすっごく力をもらった。 https://t.co/7PXbLK2m18
— 室井佑月 (@YuzukiMuroi) August 30, 2020
「安倍政権とは何であったか。それは日本史上の汚点である」に始まるこの文章はものすごい迫力である。安倍政権総括として不可欠な要素を凝縮した論考だ。「後継者が誰になろうが、安倍時代の不正の追及が正面から行なわれない限り、本質は何も変わらない」に全面賛成したい。https://t.co/TpQzw2svnm
— 鮫島浩 (@SamejimaH) August 30, 2020
スゴい迫力だ。正鵠を射た檄文。文章とはこのぐらいの力を持っていなくてはならない。心ある書き手はこの白井論文に続け。 https://t.co/U3aR8vM0WU
— さよなら昨日の私 (@SaYoNaRaKiNo) August 30, 2020
悉く同感です
数知れない隣人たちが安倍政権を支持しているという事実、私からすれば単に政治的に支持できないのではなく、己の知性と倫理の基準からして絶対に許容できないものを多くの隣人が支持しているという事実は、低温火傷のようにジリジリと高まる不快感を与え続けたhttps://t.co/zDzYn9N8Ec
— 盛田隆二🍺Morita Ryuji (@product1954) August 30, 2020
🖊️安倍政権は己の腐りきった本質をさらけ出した。
不正をはたらき、それを隠すために嘘をつき
その嘘を誤魔化すためにさらなる嘘をつく…
高い倫理観を持つ者が罰せられ
阿諛追従して嘘に加担する者が立身出世を果たす。
もはやこの国は法治国家ではない。
📎白井聡さん~論座https://t.co/NApuCa1uLZ— 東京新聞労働組合 (@danketsu_rentai) August 30, 2020
同感。政権の底なし沼のクズっぷりよりも何よりも、一番辛かったのは、こんなのを支持してるのが常に30-50%いたという事実。親戚も近所の人も職場の人も皆敵に思えた。安倍が退陣してもこの日本社会への猛烈な不信感が払拭されることはもう多分ないだろう。
https://t.co/hwFoeQTYGp— ペロンパー(前事不忘 後事之師) (@klezmer722) August 30, 2020
”単に政治的に支持できないのではなく、己の知性と倫理の基準からして絶対に許容できないものを多くの隣人が支持しているという事実(中略)隣人(少なくともその30%)に対して敬意を持って暮らすことができないということがいかに不幸であるか”
昨日も読んだがまさに同感。https://t.co/cnMiGvLTkK
— ワイド師匠 (@feedback515) August 30, 2020
安倍政権の愚劣で卑劣で悪辣な本質を痛烈かつ的確に抉り出した論考である。「まさにこうしたスケールの小さい悪事の積み重ね、その隠蔽、嘘に次ぐ嘘といった事柄が、公正と正義を破壊し、官僚組織はもちろんのこと、社会全体を蝕んできたのである」。核心を突く指摘だ。 https://t.co/rMPWWCxyrW
— m TAKANO (@mt3678mt) August 31, 2020
白井聡さんの記事、すごいです!
言いたかったことが全部、心に突き刺さる言葉で書かれています。こんなふうな文章を書ける人は尊敬。
ぜひご一読を!・安倍政権の7年余りとは、日本史上の汚点であるhttps://t.co/RA0yQOhGeV
— Dr.ナイフ (@knife900) August 30, 2020
このように、論客に一般アカウント、さらには他紙までもが称賛している。もちろん全員とは言わないが、左翼や反アベにとって安倍政権とは、その支持者も含めて「嫌悪感そのもの」という意見でほぼ一致していると言っても過言ではないのかもしれない。
白井聡氏(京都精華大学講師)の痛快な安倍批判
白井聡氏といえば、ロシア革命の指導者であるレーニンの政治思想をテーマに、社会思想の研究をしてきた政治学者である。日本共産党のYouTubeチャンネルやしんぶん赤旗に取り上げられるなど、共産党との距離が近い存在にも思える。
過去には秋葉原で行われた安倍総理の演説で「安倍やめろ」と連呼する集団の中に、白井聡氏も一緒に運動していたとも言われている。
秋葉原でシバキに混じって選挙妨害してた奴っすねー!さすが朝日新聞! https://t.co/nE1k9GEWvh pic.twitter.com/3OhhdftRhq
— 雅 裕⛳️ (@monmonmon8400) August 30, 2020
本人かどうかは不明だが、ホクロの位置も含めて顔はそっくりだ。似ているだけだと思うが。
演説を聞いている人の迷惑になりかねない声量で「安倍やめろ」と連呼する姿は、反アベ界隈の高い知性を知らしめる行為だ。この心強い集団がいてくれるおかげで、左翼の実態が若い人に知ってもらえる。
保守界隈は、自分たちと相入れない思想信条の持ち主に対しても言論の自由を奪うことはしないが、それはもう時代遅れなのかもしれない。左翼の知性的な運動こそ、民衆の心を熱くしてくれる。
白井聡氏の記事をきっかけに、日本の右傾化に歯止めがかかることを願う。