内田樹氏は7日、Twitterで「Air Mistyという特殊薬剤噴霧器を道場に導入しました」と報告、「空気中のウイルスはほぼ不活性化、道場内だけはウイルスフリー」と宣言している。
「Air Misty」はおそらく「A2Care」という商品と思われるが、使用されている「二酸化塩素」は日本において医薬品・医薬部外品の消毒剤としては未承認であり、メーカーもHPで「医薬部外品ではありません」と明記している。
また、空間噴霧によるウイルス消毒はWHO(世界保健機関)も推奨していない。
内田樹氏「Air Mistyという特殊薬剤噴霧器を導入」
Air Mistyという特殊薬剤噴霧器を道場に導入しました。これで空気中のウイルスはほぼ不活性化できるということです。道場内だけは「ウイルスフリー」です。花粉症も大丈夫ですよ。今日の杖道稽古から経験してみてください。
— 内田樹 (@levinassien) May 7, 2021
新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)
5. (補論)空間噴霧について
世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスに対する消毒に関する見解の中で、「室内空間で日常的に物品等の表面に対する消毒剤の(空間)噴霧や燻蒸をすることは推奨されない」としており、また、「路上や市場と言った屋外においてもCOVID19やその他の病原体を殺菌するために空間噴霧や燻蒸することは推奨せず」「屋外であっても、人の健康に有害となり得る」としています。また、「消毒剤を(トンネル内、小部屋、個室などで)人体に対して空間噴霧することはいかなる状況であっても推奨されない」としています。(5月15日発表)
また、米国疾病予防管理センター(CDC)は、医療施設における消毒・滅菌に関するガイドラインの中で、「消毒剤の(空間)噴霧は、空気や環境表面の除染方法としては不十分であり、日常的な患者ケア区域における一般的な感染管理として推奨しない」としています。
これらの国際的な知見に基づき、厚生労働省では、消毒剤や、その他ウイルスの量を減少させる物質について、人の眼や皮膚に付着したり、吸い込むおそれのある場所での空間噴霧をおすすめしていません。薬機法上の「消毒剤」としての承認が無く、「除菌」のみをうたっているものであっても、実際にウイルスの無毒化などができる場合は、ここに含まれます。
ネタツイに釣られるネトウヨ
毎日新聞に「知の巨人」ともてはやされた超一流カリスマ哲学者の内田樹氏、今回も知性を発揮している。しかし、科学にうるさいネトウヨどもが群がっている模様。リプライや引用リツイートで批判しているようだ。
確かに内田氏は噴霧器の導入で「道場はウイルスフリー」などとツイートしているが、こんな科学リテラシーゼロなツイートはネタに決まっているだろう。厚労省も推奨しない空間噴霧や、医薬品・医薬部外品の消毒剤としては未承認の「二酸化塩素」。それで自信満々にツイートすることは、ハッキリ言って「釣り」としか思えない。
空間を除菌したところで、飛沫感染さえ防がなければ意味はない。新型コロナウイルスが流行して1年以上経った今、そんなことは常識だ。政権に対して「反知性主義」と批判するほど高い知性を誇る内田氏が、これほど科学リテラシーに疎いわけないだろう。彼が本気にしているとでも思ったのか?
毎日新聞に「知の巨人」ともてはやされた超一流カリスマ哲学者の内田樹大先生のネタツイに釣られる愉快なネトウヨたち、今日も思う存分笑わせてくれる。そんなネトウヨには内田樹大先生の名著『日本の反知性主義』をおすすめしておこう。