吉村洋文大阪府知事は22日、自身のTwitterで「新型コロナウイルスにおけるうがい薬を用いた殺ウイルス効果の研究レポート原文」とツイートした。
アメリカ感染症学会の機関誌に掲載された、ドイツのルール大学の研究レポートを紹介している。
先日、記者会見で新型コロナウイルスにおけるイソジンの効果について発表したところ、「知事のうがい薬推奨には違和感」と専門家から批判が相次いだ。
吉村洋文大阪府知事 研究レポートの原文をシェア
米国感染症学会の機関誌に7月29日に公開された独ルール大学による新型コロナウイルスにおけるうがい薬を用いた殺ウイルス効果の研究レポート原文。https://t.co/4IUHIuBZJ7
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) August 22, 2020
研究レポートによると、「口腔洗浄により唾液のウイルス量が減少、新型コロナウイルスの感染が低下する可能性がある」と紹介されている。うがい薬によってウイルスを効率的に不活性化できるとの見方らしい。
ドヤったツイートも、専門家からツッコミ
以前、記者会見でイソジンの効果について発表したところ、専門家からは「専門家ではない知事や市長が記者会見で推奨することは違和感がある」や「感染予防としての効果についてはまだ何ともいえない」と、批判が相次いだ。
マスコミの切り取りで印象操作があったとはいえ、記者会見をキッカケに市場からはイソジンを含むうがい薬が消えた。買い占めが発生してしまったのだ。
おそらく転売屋の買い占めだろう、さっそくネットのフリーマケットで高額出品されていたという。そのため、イソジンが入手困難になってしまったのだ。
必要な場所に必要な量のイソジンが回らない、こういった現象は絶対に避けなければならないのだが、「吉村知事に責任がある」とする声が多い。現在も例の記者会見は是非が問われている。
その反論という意図があったのだろうか。研究レポートを紹介した今回のツイートは、吉村知事なりの反撃なのかもしれない。
しかし、このツイートにもさっそく専門家からダメ出しを食らっている。
そりゃコロナに限らずウイルスにダイレクトにポビドンヨードぶっかけたら死にますよ。だからといってじゃあ臨床的に予防できるかとか治せるかは全然別の話で、基礎研究だけで臨床的に効果ありとみなしていいなら製薬会社は今頃大儲けでしょうね。 https://t.co/lcG3v1oFkF
— EARLの医学ツイート (@EARL_Med_Tw) August 22, 2020
コロナに限らず、ウイルスに直接ポビドンヨードをかけたら、ウイルスは不活性化するというもの。しかし、それが予防に繋がるかどうかは別問題との見方だ。
医学は人の命や健康に直結するものであり、研究のプロセスも踏んで慎重に行われるものだ。吉村知事の言動は、時に大きな混乱を生みかねない。今一度、政治家としての手腕を見定めるべきだろう。