中国がウイグル自治区で人権弾圧など非人道的犯罪を行っている疑惑について、国外に逃れたウイグル人らは国際刑事裁判所(ICC)に捜査要請を求めた。
ウイグル人らはICCに膨大な証拠書類を提出したが、ICCは14日の捜査の求めを退けている。
訴えを退けたことについてICCは「中国はICC非加盟で管轄外、そのためICCの人権に対する罪に当たらない」と説明した。
国際刑事裁の検察、ウイグル弾圧の捜査要請を退ける「人権への罪に当たらない」
【パリ=三井美奈】国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)の検察は、中国による少数民族ウイグル族弾圧に関する捜査要請を退けた。14日に発表した報告書に明記した。中国はICC非加盟で、中国内での行為についてICCに管轄権がないことを理由とした。
ICCによる捜査は亡命ウイグル人が求めていたもので、人口抑制を目的とした不妊手術や強制移住は、ジェノサイド(集団殺害)や、人権に対する罪に相当すると主張していた。
訴えには、ICC加盟国であるカンボジア、タジキスタンからウイグル族が強制移住を迫られたとの主張も盛り込まれたが、検察は「国際人権法に抵触するおそれはあっても、(ICCの管轄である)人権に対する罪に当たらない」と判断した。
ICCは昨年、非加盟国ミャンマーの少数民族ロヒンギャに対する迫害疑惑について、容疑事実の一部が加盟国バングラデシュで行われたことを理由に、捜査に踏み切った。
引用:https://www.sankei.com/world/news/201216/wor2012160007-n1.html
中国は国際刑事裁判所(ICC)非加盟国
国際刑事裁判所の検察は「非加盟」を理由に中国への捜査要請を退けた。加盟国であるカンボジアやタジキスタンにおける強制送還も「審理を進める根拠は現時点で存在しない」とし、捜査協力には消極的だ。
非加盟国には権限が及ばないという穴によって、ICCが捜査することは難しい展開となった。国連もウイグルや香港への人権侵害で中国を非難したものの、擁護する国々も多く一枚岩といかない。
しかし、非加盟国であるミャンマーが少数民族ロヒンギャに対する迫害で疑惑を持たれた際、ICCは捜査に踏み切った。この「ダブスタ」と言われても仕方ない姿勢には、感動すら覚える。
一方で、アメリカは率先して「ウイグル強制労働防止法案」を可決させ、サッカーフランス代表のグリーズマン選手がファーウェイの広告契約を打ち切るなど、個々では中国の人権侵害を非難する声は高まっている。
しかし、世界の自称人権派の動きは非常に鈍い。先の大戦で敗戦国となった国に対しては相当口出しするのだが、中国の周辺国弾圧に関しては消極的だ。そんな自称人権派団体や自称人権派ジャーナリストの高い知性と優れた品格に今後も注目していきたい。
