尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で、今年に入り計283日も航行して過去最多を更新した中国海警局。
台湾を手に入れるため日本の尖閣諸島へ揺さぶりをかけている中国、アメリカとの経済摩擦も含め西側先進諸国の警戒心は高まる一方だ。
日中関係について中国はどのように考えているのか、孔鉉佑(コンシュワンユー)駐日中国大使のインタビューで見えてきたものとは。
日中は「安全保障で相互信頼が必要」 孔駐日大使に聞く
――習近平(シーチンピン)国家主席の国賓訪日の見通しは。
習主席の訪日は、新しい時代にふさわしい中日関係を構築する上で極めて意味がある。各レベルの様々な対話を通じて、ハイレベルの往来にふさわしい環境、条件を整えていくべきだ。(日中共同声明、日中平和友好条約などに続く)第5の政治文書についてもオープンな態度で臨んでいきたい。個人の考えとしては、両国関係の長期的な方向性を、適切な形で両国の国民と国際社会に示す必要があると考える。
――コロナ禍で止まった日中間の往来の再開はどのような見通しか。
科学的な安全対策をした上で、段階的な人的往来の再開を検討すべき時期だ。ビジネストラックの運用が一日も早くまとまるよう両国で協議している。
――日本の対中世論は厳しい。大きな原因とされるのが尖閣諸島周辺での中国公船の活動の活発化だ。対日関係改善を求める姿勢と矛盾しないか。
我々もこうした日本の動向に留意している。釣魚島(尖閣諸島の中国呼称)における立場は一貫している。まずは双方の主張が真っ向から対立している現実を直視すべきだ。長い目で見て、互いが受け入れられる形で解決を目指すしかない。 民意の対立をあおり立てるようなやり方は建設的ではない。両国の国民がこの問題を冷静に見るよう、政府として努力していく姿勢が重要だと思う。
――事態をエスカレートさせているのは中国ではないのか。
誤解だ。エスカレートさせることは我々にメリットがない。中日関係は改善の方向にもっていかねばならないとの立場は揺るがない。
――香港国家安全維持法の施行にも日本世論は極めて厳しいものがある。
香港は中国の一部だ。中国の内政であるということをまず認識して欲しい。国家の安全はあくまでも中央政府の権限。これは世界の慣行だ。
引用:https://www.asahi.com/articles/ASNC24S8TNB0USPT008.html
「習近平主席の訪日は意味がある」「事態のエスカレートは我々にメリットなし」
日本固有の領土である尖閣諸島だが、中国と台湾が領有権を主張している。しかし、中国としては事態をエスカレートさせるつもりはないとのこと。日本の漁船を追うなど圧力を強める中国だが、あくまで姿勢は日中友好のようだ。
また習近平国家主席の国賓訪日も「日中関係の構築で極めて意味がある」と語った。習近平首席の来日を、日本が歓迎していると思っているかもしれない。
日本との接続水域で揺さぶりをかけてきながら、口では友好姿勢をアピールする。さすが中国共産党だ。完全に日本を舐めているだろう。
中国は評判が落ちると日本へ擦り寄ってくる。新型コロナの流行をきっかけに中国への不信感が世界中で高まる中、中国が最も頼りやすい国が親中派の政治家も多い日本だ。
しかし、今のところ菅内閣の動きは中国に歩み寄るイメージがつかない。菅首相のインドネシア&ベトナム訪問。通信関連企業に対する事実上排除の動き、親台湾派の防衛大臣など、中国は安倍政権以上の壁を感じているかもしれない。
二階幹事長が菅首相を説き伏せられるのか、偉大なる独裁国家・中国の擦り寄りに注目したい。

